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1.研究概要

 整形外科は、四肢および脊椎・脊髄の運動器および神経疾患から、同部位に発生する腫瘍、感染、膠原病、先天奇形および外傷など幅広い分野にわたり臨床と研究を行っております。骨粗鬆症・骨代謝、関節リウマチ、下肢関節外科(股、膝、足関節およびスポーツ医学、小児整形)、脊椎・脊髄外科、骨軟部腫瘍、手の外科・マイクロサージャリーの各専門分野別に疫学研究を含めた臨床研究および基礎研究を行っている。

2.研究グループ

  • 骨代謝グループ
  • 関節リウマチグループ
  • 下肢関節グループ(股関節・膝/スポーツ・小児整形)
  • 脊椎・脊髄グループ
  • 骨・軟部腫瘍グループ
  • 手の外科グループ
  • 外傷グループ

3-1.骨粗鬆症・骨代謝グループの研究テーマ

  • 大腿骨近位部骨折や脊椎椎体骨折の疫学フィールド研究(縦断調査)
  • 骨折危険因子の検討
  • リエゾンサービスシステムによる骨折予防プロジェクト

3-2.関節リウマチグループの研究テーマ

  • 関節リウマチ患者の血清酸化ストレス度の検討
  • 非定型大腿骨骨折(AFF)の頻度、臨床的特徴の検討(日本骨形態計測学会プロジェクト)
  • RA患者の(特に生物学的製剤投与下における)周術期の検討;CD64を含めて(トシリズマブ周術期研究TOPP)(国立相模原病院リウマチ科との共同研究)
  • 関節疾患における滑液中酸化ストレス値の検討
  • RA滑膜におけるVEGFの発現と抗酸化剤NACによる効果
  • RA臨床検体の骨形態計測学的検討
  • 25(OH)DとRA activityの相関に関する検討
  • ユビキチン特異的プロテアーゼ10の骨関節における機能の解明(ウイルス学教室との共同研究)

3-3.下肢関節グループの研究テーマ

  • 人工膝関節置換術の術前計画・術中支援・術後解析におけるバイオメカニクス
  • 前十字靭帯損傷・再建・変形性関節症膝における運動解析
  • 住民検診における変形性膝関節症の歩行解析・バイオマーカーに関する長期縦断的研究
  • 関節鏡視下手術におけるナビゲーションの応用
  • MRI軟骨モデルの解析
  • 野球肘検診などにおけるメディカルサポート
  • 人工股関節置換術のカップ設置に対する側臥位でも使用できる術中支援デバイスHipCOMPASSの開発
  • Curved periacetabular osteotomyにおける3次元術前計画とpatient-specific cutting deviceの使用による術中支援
  • 骨盤形成不全の3次元評価
  • 大腿骨近位部骨折の全県調査(縦断的検討)
  • 先天性股関節脱臼や臼蓋形成不全のスクリーニングシステムの構築に関する調査

3-4.脊椎・脊髄外科

  • CTを用いた後縦靭帯骨化症・黄色靭帯骨化症の骨化巣の三次元画像評価(厚労省研究班分担研究)
  • MRIを用いた特発性側弯症の変形進行の危険因子に関する検討
  • パーキンソン病に伴う脊柱変形と腰痛・QOLに関する調査(神経内科との共同研究)
  • 成人期脊柱変形と患者QOL・体幹機能との関連(新潟リハビリテーション病院との共同研究):3 (7) T MRIを用いた脊髄神経路画像評価(脳研究所との共同研究)
  • 骨粗鬆症脊椎手術における新たなimplantの開発
  • パッチクランプ法を用いた脊髄前角機能の評価(麻酔科との共同研究)
  • 新潟市における小児の腰痛に関する大規模調査(6年間の縦断的検討)

3-5.骨軟部腫瘍

  • 外来で可能な迅速な針生検による遺伝子診断の研究
  • 外来で投与可能な抗がん剤治療の研究
  • 難治性軟部腫瘍(デスモイド)に関する臨床研究(他大学との共同研究)
  • 術中照射骨を用いた再建術の臨床研究(がんセンター新潟病院との共同研究)
  • 新規分子標的薬の感受性に関する研究

3-6.手の外科/マイクロサージャリー

  • 腕神経損傷における神経交差による脳機能の可塑性変形の解析
  • 野球肘に対する上腕骨切り術の長期成績

3-7.外傷

  • 四肢開放骨折の治療成績
  • 骨盤骨折・寛骨臼骨折手術例の長期成績

4.研究の成果

[分野] 整形外科学分野(骨・軟部分野)

[研究テーマ] テロメラーゼ特異的制限増殖型アデノウイルスによる骨軟部肉腫に対するウイルス療法

[内容]
 骨軟部肉腫に対するテロメラーゼ特異的制限増殖型アデノウイルスによるウイルス療法の効果と殺細胞メカニズムの解明を目指した。細胞株を用いた実験では、アデノウイルスレセプターやテロメラーゼ逆転写酵素の発現量に比例し、容量・時間依存性にウイルス増殖を起こすと同時に、オートファジー、アポトーシスの両者を介して殺細胞効果を発揮することがわかった。さらに、マウス骨肉腫モデルでは、本ウイルス療法により骨肉腫の増大が著明に抑制されることがわかった。一方で、殺細胞メカニズムについては、オートファジーを抑制すると、アポトーシスの誘導は増強され、殺細胞効果も増強されることが分かった。つまり、本ウイルス療法によって軟部肉腫細胞に起こるオートファジーは細胞死を誘導するものではなく、保護するものであると考えられた。さらに、アポトーシスを抑制すると、肉腫細胞内におけるアデノシン三リン酸が減少し、細胞死のメカニズムとしてアポトーシスからネクローシスに変化することも分かった。以上より、肉腫に対する本ウイルス療法による殺細胞メカニズムはオートファジー、アポトーシス、ネクローシスが複雑に絡み合って作用していると考えられ、殺細胞に抵抗性の細胞に対しては、逆にオートファジーを抑制しアポトーシスを誘導したり、アポトーシスを抑制しネクローシスを誘導したりすることによる殺細胞効果の増強を図ることも可能であると推測された。

[写真など]

図1

【図の解説】
テロメラーゼ特異的制限増殖型アデノウイルスの模式図。ヒト5型アデノウイルスを遺伝子工学を用いて改変し、テロメラーゼ活性の高い腫瘍細胞内でのみ増殖し、殺細胞効果を発揮する。

[分野] 整形外科学分野(下肢関節分野)

[研究テーマ] 1方向X線透視画像を用いた健常膝の三次元運動解析

[内容]
 本研究ではX線透視画像を用いて、健常膝のダイナミックな三次元膝運動を全可動域で評価した。健常ボランティア20名の下肢全長CTから大腿骨、脛骨の三次元骨形状モデルを構築し、評価に必要な参照軸、解剖学的座標系を構築。次にX線透視を用いて膝側面像でのしゃがみこみ運動を撮影。X線透視像の骨と同画像に投影された骨形状モデルを一致させる2D3Dレジストレーション法により膝の運動を評価した。【結果】全症例、伸展位から屈曲位になるにつれ、大腿骨は脛骨に対して外旋を呈した。大腿骨内顆は伸展位から屈曲100°付近まではゆるやかに前方に移動し、屈曲100°以降は後方に移動した。大腿骨外顆は屈曲するにつれて一貫して後方に移動した。全例、最大伸展位から屈曲約120度までは外側が後方移動するmedial pivot運動を、屈曲約120度以降は概ね内外側ともに後方に移動するroll-back運動を示した。

[写真など]

図2

[分野] 整形外科学分野(脊椎・脊髄分野)

[研究テーマ] 頚椎後縦靭帯骨化症における3次元画像解析

[内容]
 頚椎後縦靭帯骨化症(頚椎OPLL)は原因不明の特定疾患に指定され、重度の脊髄障害を引き起こす難病である。当科外来治療患者および除圧術後患者を対象に経時的なCT撮影を行い、このDICOMデーターを画像解析ソフトMaterialise’s Interactive Medical Image Control System(以下Mimics)もちいて靭帯骨化巣の三次元画像解析を行っている(図1)。骨化巣の縦断的評価を行い、OPLL増大部位の同定およびOPLL増大の危険因子解析を行っている(図2)。本研究は厚生労働省難治性疾患克服研究事業『脊柱靭帯骨化症に関する調査研究班』の一環として行われており、現在さらに手術治療の骨化巣増大防止効果、類似の病態である黄色靭帯骨化症の縦断評価などを解析している。

[写真など]

図3

[分野] 整形外科学分野(脊椎・脊髄分野)

[研究テーマ] MRIを用いた脊髄神経路画像評価

[内容]
 我々は、これまで生体内で不可能であった脊髄神経路の可視化に、脳研究所統合脳機能研究センターと共同で取り組んできた。これまでの研究成果から、MRI拡散強調画像法の一つである三次元不等法性コントラスト軸索強調画像を用い(1)、脊髄横断面で楔状束(fasciculus cuneatus)、薄束(fasciculus gracilis)、脊髄小脳路(spinocerebellar tract)の可視化が可能となった(詳細は参考文献2を参照)。臨床応用として、頚椎症性脊髄症を対象とした上行性脊髄神経路変性の描出も行った。現在、より詳細な臨床症状と画像所見との対比を行うことで、手術後の神経機能の回復程度が予測可能となるよう統合脳機能研究センターと共同研究を継続中である。

[写真など]

図4

(1) Nakada T, Matsuzawa H, Kwee IL. Magnetic resonance axonography of the rat spinal cord. Neuroreport 1994 ; 5 : 2053-2056.
(2) Urakawa T, Matsuzawa H, Suzuki Y, et al. Analysis of ascending spinal tract degeneration in cervical spondylotic myelopathy using 3D anisotropy contrast single-shot echo planar imaging on a 3.0-T system. J neurosurg Spine 2011 ; 15 : 648-653.

[分野] 整形外科学分野(関節リウマチ分野)

[研究テーマ] 関節リウマチと酸化ストレスとの関連

[内容]
 我々は、関節リウマチの病態において酸化ストレスが関与していることに着目し研究を進めている。中でも、酸化ストレスに対する生体防御に関してNrf2/Keap1経路が中心的な役割を担っていることが知られている。関節リウマチ(RA)症例の手術検体では変形性関節症(OA)の検体に比べ有意にNrf2 mRNAの発現が高かった(A)。関節リウマチの滑膜内には変形性関節症の滑膜に比べてNrf2タンパクが高発現していた(B,C)。

[写真など]

図5


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