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1.研究概要

 泌尿器科学は、副腎・腎・尿路・男性生殖器の多様な疾患を、外科的・内科的な手法を駆使して診療・研究する医学分野です (日本泌尿器科学会Webより)。泌尿器腫瘍学、男性機能学、腎移植学、排尿生理学などに分かれ、当教室では現在、腎移植学と泌尿器腫瘍学について集中的に研究を行っています。

2.研究グループ

  • 腎移植学グループ
  • 泌尿腫瘍学グループ

3-1.腎移植学グループ

研究テーマ

① ABO血液型不適合腎移植における免疫学的順応に関する研究(科研基盤A・科研基盤C)

移植臓器の不足が世界中で問題になっており、これを解決するためにわれわれはわが国で初めてABO血液型不適合腎移植を成功させ、その成績向上と普及に努めてきた。 当科ではレシピエントのもつドナー血液型に対する抗A/B抗体による急性抗体関連型拒絶反応を制御し、免疫学的順応(Immunological accommodation)を誘導する脱感作療法を確立した。 さらに、腎血管内皮細胞に発現するABO血液型抗原は、赤血球のABO血液型抗原とはその存在様式が異なることを世界で初めて報告している。 ABO不適合腎移植後のaccommodation誘導のメカニズムは未だ完全には解明されていないが、われわれは移植腎血管内皮細胞上のABO組織血液型抗原の変化、補体制御因子の活性化、 レシピエントB cell〜Plasma cellによる抗体産生能の変化等、様々な角度からその神髄に迫る研究を展開中である。

参考業績

  • Takahashi K et al. Excellent long-term outcome of ABO-incompatible living donor kidney transplantation in Japan. Am J Transplant. 2004 Jul;4(7):1089-96.
  • Takahashi K. A new concept of accommodation in ABO-incompatible kidney transplantation. Clin Transplant. 2005;19 Suppl 14:76-85. Review.
  • Saito K et al. Pinpoint targeted immunosuppression: anti-CD20/MMF desensitization with anti-CD25 in successful ABO-incompatible kidney transplantation without splenectomy. Xenotransplantation. 2006 Mar;13(2):111-7.
  • Takahashi K, Saito K. Present status of ABO-incompatible kidney transplantation in Japan. Xenotransplantation. 2006 Mar;13(2):118-22.
  • Takahashi K. Recent findings in ABO-incompatible kidney transplantation: classification and therapeutic strategy for acute antibody-mediated rejection due to ABO-blood-group-related antigens during the critical period preceding the establishment of accommodation. Clin Exp Nephrol. 2007 Jun;11(2):128-41. Epub 2007 Jun 28. Review.
  • Tasaki M et al. Identification and characterization of major proteins carrying ABO blood group antigens in the human kidney. Transplantation. 2009 Apr 27;87(8):1125-33.
  • Takahashi et al. Mechanism of acute antibody-mediated rejection in ABO-incompatible kidney transplantation: which anti-A/anti-B antibodies are responsible, natural or de novo? Transplantation. 2010 Mar 15;89(5):635-7.
  • Tasaki M et al. Detection of allogeneic blood group A and B enzyme activities in patients with ABO incompatible kidney transplantation. Glycobiology. 2010 Oct;20(10):1251-8.
  • Takahashi K et al. ABO-incompatible kidney transplantation. Transplant Rev (Orlando). 2013 Jan;27(1):1-8.

② 腎移植患者における抗ウイルス薬体制サイトメガロウイルス変異株の迅速診断法の開発とその応用(臨床腎移植学会 奨励臨床研究:多施設共同研究)


参考業績

  • Daikoku T, Saito K. et al. Rapid detection of human cytomegalovirus UL97 and UL54 mutations for antiviral resistance in clinical specimens. Microbiol Immunol 2013; 57: 396–399.

③ 腎移植後の腎性貧血の研究
④ 免疫抑制薬の薬物動態に関する研究

3-2.泌尿腫瘍学グループ

研究テーマ

前立腺癌細胞内アンドロゲンシグナル機構の解明
pT1G3膀胱癌の2ndTUR陰性症例に対するBCG 治療に関する共同研究(JCOG)
腎盂・尿管癌のリンパ節郭清領域設定に関する共同研究(JCOG)
前立腺癌の強度変調放射線治療,小線源治療後の予後・QOLに関する研究(放射線科との共同研究)
腎細胞癌に対するソラフェニブ・スニチニブのクロスオーバー投与に関する多施設共同試験
cM1b前立腺癌に対するゾレドロン酸の至適投与間隔に関する多施設共同試験

4.研究の成果

[分野] 腎移植学

[研究テーマ] ABO血液型不適合腎移植について

[内容]
  ヒト腎組織から抽出したタンパク質を利用し、ABO組織血液型抗原(糖鎖抗原)をもつタンパク質を、プロテオーム解析を利用し網羅的に解析した。その後、それぞれの抗原がヒト腎臓に発現しABO組織血液型抗原を持つことを確認し、赤血球のタンパク質と異なる様式で存在していることがわかった(図1)。
また、ABO組織血液型抗原を合成する酵素は、血清中にも存在する。ABO不適合腎移植後にレシピエントの血液中に存在するドナー血液型合成酵素を検討した。移植後、Accommodationを確立すると、血液中のドナーABO血液型合成酵素が上昇し、安定して存在することを発見した。また、拒絶反応がおきるとそれらの酵素活性が減少し、拒絶に対する治療により回復することから、この酵素がAccommodationのマーカーになる可能性が示唆された(図2)。

[写真など]

図1

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図2

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[分野] 泌尿腫瘍学

[研究テーマ] 前立腺癌細胞内アンドロゲンシグナル機構の解明

[内容]
 アンドロゲンとアンドロゲン受容体は前立腺癌の増殖に関与している.ヒト血液中には大量のDHEA-Sが存在し,テストステロン(TT)やジヒドロテストステロン(DHT)は前立腺内の様々なアンドロゲン合成酵素を経由して合成できる.アンドロゲン遮断療法(ADT)にて血清TTは著減するが,前立腺内DHTはADT前比25%残存し血中濃度との解離を呈する[1].GleasonScore7以上の高悪性度前立腺癌では前立腺内DHTがより低く,またADT前後の変化がより小さく,血中TT変化の影響を受けづらい[2].ADT後前立腺内ADT濃度は血清DHEA-S,TT,ACTHと相関があり,ADT環境では下垂体-副腎内分泌軸がアンドロゲン合成調節の中心的役割を果たしていると考えられる[3].

[1] http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15534082
[2] http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17698092
[3] http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20884032

[写真など]

図

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